首位に寄せられる突拍子もない批判にマジで答えてみた。
基本的に私は外野からの挑発めいた声が気になりません。
スタンスとして「弱い犬ほどよく吠える」という言葉が根底にあって、負け惜しみをしたいんだな、と思ってしまいます。
逆に潔く負けを受け入れ、リベンジを誓うようなその素直な姿勢に対してはとても好感が持てます。なので、他サポからの理解しがたい批判などには特に突っ込みません。
勿論、私も人間なので試合中は感情任せに呟いたり感想を言いますし判定に納得いかないこともありますが、相手チームのことをどうこう言うような的を得ていない批判や暴言は言わないようにしています。
ただし、少し考える必要がありました。
『今年は開幕から12戦無敗というクラブ記録を更新し、14節を終えた時点で単独首位。最少失点の7を記録し、得点ランクでは頼みのディエゴオリヴェイラがトップタイにランクイン。更にこの6月シリーズにはA代表に初招集された逸材・久保建英を筆頭に室屋成、橋本拳人、追加招集の永井謙佑という4人の選手が選出された。韓国代表ではナサンホが引き続き名を連ねている。』
こうした2019年、令和元年という新しい年の東京の躍進に観客動員数も増加傾向にあります。
新規サポーターが増えてくる中、SNSなどで無意味に発信され拡散される "東京に対する突拍子もない批判、反論" を鵜呑みにされる方々がいるとすれば、それは避けなければいけません。
首都のクラブ"東京"という看板を背負う以上は「強く、愛されるチーム」を目指すことがクラブ理念であり、そうあるべきです。
そこで、ここまで個人的に引っかかってきた首位チームへの不可解な批判の声に"マジ" で答えてみようと思います!
【守備的だからつまらない】
まずハイライトやニュース記事だけでそのチームのサッカーの本質を見極めることは不可能だと断言します。
現地観戦、フルタイム観戦でないと組織レベルでのコンセプトは分かりません。
確実に近年の東京は「堅守速攻」という言葉が一人歩きするはず。守りが堅く、攻めに速いのだから文字通り。
数字的にみてもボール支配率で相手を勝ったケースは限りなく少ない状況です。
しかし、この「堅守速攻」は果たして守備的な戦術なのでしょうか。
現地で試合を見て「つまらない」と思った方は少ないと思います。
なぜなら東京は90分間も自陣にドン引きして失点を減らすチームではないからです。
あくまで守備方法として深い位置ではブロックを敷いて組織的に包囲しよう、ファーストプレッシャーをはっきりさせてスペースを消そう、という狙いがあるのみ。
東京がボールを握る展開では久保建英のポテンシャルの高さが今年は光っており、高萩洋次郎ら相手ブロックの合間をかいくぐるパスで展開していくことも可能です。
相手チームは得点を取るために攻めてくるわけですから、その隙を縫ってカウンターを仕掛けるのにふさわしい選手たちが揃っているので速攻を狙うのは当然の成り行きです。
そもそもの話ですが、「攻撃的」「守備的」というのはあくまで戦術の見出しのようなもので試合に勝つための方法ではないです。
90分間あれば良い時間帯、悪い時間帯の両局面訪れます。
最終的に勝利を掴むためには、それらの時間帯に如何なる対策を練ってこれたかどうか。
近年で「攻撃的」と形容されるのは川崎フロンターレや名古屋グランパスだと思いますが、前者がリーグを2連覇することが出来たのは圧倒的な攻撃力や"風間監督イズム"によるショートパスやトラップ技術を生かしただけではなく鬼木監督の下で守備面を整備できたのが大きな要因です。
その点、後者はまだ守備面での統率が図れていないことも散見され勝ち点を取りこぼすことも少なくありません。
このように、サッカーの全体を捉えないと勝利を掴むことは出来ません。
東京が迎えた2016年から17年にかけて2期連続の監督交代、そして低迷はクラブビジョンとして明確なアプローチを持つことが出来なかったことが引き起こしたものであると考えています。
だからこそ、「勝つ」ことを前提に、そのために何をどう強化して補い、クオリティーを高く保つかの逆算。
その結論が長谷川健太監督の招聘でした。
「まず失点しないゲームプラン」があるのだとすれば、それは東京のストロングポイントを生かす上で合理的かもしれません。
それをここにきてようやく考えられた結果が健太監督の下で選手が体現している今のサッカースタイルなのです。
「守備的だから...」と語れるほど、サッカーは単純ではないということです。
【久保建英 頼みのサッカー】
17歳にしてチームから頼られる存在というのは滅多にいない希少な選手です。
「久保建英頼みのサッカーだろ」と言った声は彼本人にとって成長へのプレッシャーをかける意味でもむしろポジティブかもしれません。
こんなにもポテンシャルが高く、将来性溢れる選手には頼るほかありません。
そして、補足するなら久保建英の良さを際立たせるのが守備面での貢献度が高い東慶悟や右サイドで好連携を披露する室屋成、前線でタメを作りスペースを共有するディエゴオリヴェイラらの存在。
完全にチーム全体として「久保建英を生かす」ことが体現出来ています。
また、永井謙佑のスピードなど相手陣地深いところでは、久保建英に生かされる場面もあるので「補完関係」と言えるでしょう。
11人全員が久保建英でも勝てるスポーツではないのです。
長所を生かし、短所を補う全員で行うスポーツですから「久保建英頼み」のチームに負けるということは「チームとして負けている」ことの裏付けなのかもしれません。
【育成が下手な東京】
まず上手い、下手の決め方が分かりません。
ユースからのトップ昇格やプロ輩出が全ての基準なのでしょうか。
東京の下部組織育ちで代表的なのは権田修一(ポルティモネンセ)や武藤嘉紀(ニューカッスル)と言ったところですが、プロ入り後の努力次第で成長度合いは変わってきます。
J3にサテライトチームがエントリーしているガンバ大阪、セレッソ大阪といったチームにも優秀は若手は数多く在籍していますが、実際に東京のU23と戦っても良い勝負でしょう。
2017シーズンの開幕時にはユースから4人の有望株が昇格し、健太監督体制になってからは岡崎慎がそのポテンシャルの高さを見出され出場機会を得ています。
興味深いデータの一つとして、
この時期の世代別代表 主要大会へのチーム別派遣人数が群を抜いて多いのが東京です。
U20W杯 →田川亨介 原大智
トゥーロン国際大会 →岡崎慎 波多野豪
コパアメリカ →久保建英
キリンチャレンジカップ →久保建英 橋本拳人 室屋成 永井謙佑
重複を除いても8人。
国内のクラブ最多人数です。
優秀な若手たちがひしめく東京の下部組織は代表レベルの選手たちを育成し、組織としても2017年度は品田愛斗らを擁して、高円宮杯 全国王者に輝くなど実績も残してきました。
久保建英がバルセロナから東京に移ったことで見劣りするから「育成が下手」だと言う人がもしいるのであれば、これらのことを加味して今一度考えてみてほしい案件です。
【どうせ失速するだろう】
昨年の後半戦の失速ぶりを考えれば
反論出来ません。
ここまで首位ですが、我々はまだリーグタイトルを掴んだ経験が一度もないわけですから上から目線でものを語ることは不可能でしょう。
キャプテンの東慶悟が言っていました。
「チャレンジャー精神を忘れない。」
夏場の連戦、アウェー地獄を乗り切ることができるかはチームの底力によります。
まだ前半戦も全て終わっていない現時点で優勝を語るには早過ぎる。
謙虚な姿勢で東京のこれからに
期待しましょう!!
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